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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の幻想殺し 序章 ②激闘の終わり 少女は戦う少年の姿に何処か既視感を覚えていた。 (学園都市に来る前も、誰かにこうやって助けて貰ったことがある気がする) 少女は記憶の中を探るが、何か靄が掛かったように思い出すことが出来ない。 それはとても辛い記憶… 少女のアイデンティティさえ崩してしまうような惨い記憶… 温かい手をした少年が迷子になった自分の手を引いて歩いていた。 少女は確かにその少年のことが幼いながらに好きだったんだと思う。 思いがけず蘇った初恋の記憶に少女は戸惑うものの、 より深い記憶の深層に足を踏み入れていく。 高電離気体を消されて怒り狂う一方通行は妹へ向かって歩を進めていく。 その間に少女は割り込むように立ち塞がった。 「…させると思う?」 「ハッ、図に乗ってンじゃねェぞ格下が。 オマエじゃ俺に届きゃしねェよ、足止めすらできやしねェ。 視力検査ってなァ、2.0までしか測れねェだろ? それと一緒さ、学園都市にゃ最高位のレベルが5までしかねェから、 仕方なく俺はここに甘ンじてるだけなンだっつの」 一方通行は顔面を引き裂くような笑みを浮かべている。 それは見た者なら誰でも凍りつかせるような笑みだったが、 少女は不思議と恐怖を感じることはなかった。 (どうしてだろう、全然 恐いって思わない。 この一帯を包むように懐かしい安心感が漂ってる) そんな状況でも少女は記憶の中に足を踏み入れるのを止めなかった。 とてもそんなことをしている状況でないことは分かっている。 でも止めるわけにはいかない、何故かそれはとても大事なことだと感じる。 少年に向かって石が投げつけられる。 大怪我を負って退院したばかりの少年のことを 大人達がカメラを回して嘲笑を浮かべながら取り囲んでいる。 少年を庇うように立ち塞がる少年の両親。 おじさんのことも おばさんのことも大好きだった。 おじさんとおばさんの顔は思い出せるのに、少年の顔だけが思い出せない。 少年達がいなくなる前の日、少女は少年と最後に一度だけ遊んだ。 以前とは違い翳が差した少年の寂しそうな笑顔。 その笑顔が少女の中に蘇るように浮かび上がった。 「…お兄ちゃん?」 少女は呟くように言った。 「あァ、何言ってやがるンだァ?」 一方通行は少女の呟きを理解できないようだった。 妹も少女が何を言っているか分からない。 一方通行が少女から殺してしまえと考えた、その時… がさり、と一方通行の背後で何か物音が聞こえた。 一方通行は恐る恐る振り返る。 そこに、信じられない光景が広がっていた。 風速120mもの暴風に吹き飛ばされて、 風力発電の支柱に激突したはずの少年がゆっくりと立ち上がる所だった。 少年の体には無数の傷があり、 少しでも筋肉に力を込めるだけであちこちから血が噴き出しているようだった。 その体にはもうまともな力が入らず、両の脚はがくがくと震え、 両の手は柳の枝のようにぶらりと垂れ下がっていた。 それでも、少年は倒れない。 絶対に、倒れない。 「ったく、お前は昔から人の居ないところで無茶ばっかりしやがって… その度に俺は心配して駆けずり回ることになってたんだぞ」 少年はボロボロの体を動かして一歩前へ進む。 その姿はやはり見ていて辛くなるほど弱々しいものだった。 だが少女は目を逸らすことをしない。 何故ならこの物語のハッピーエンドが既に見えていたから… それは妄信ともいえる願望だということは少女自身 分かっていた。 でも少年なら、自分が大好きだった少年なら最高の物語の結末を作り出してくれる。 少女にはそんな確信があった。 「面白ェよ、オマエ…」 一方通行の声が響き渡る。 「…最っ高に面白ェぞ、オマエ!」 そうして、夜空に吼えるように絶叫した一方通行は 少年を撃破するために拳を握って駆け出した。 地面を蹴る足の力のベクトルを変更した、 砲弾じみた速度であっという間に距離を縮めてくる。 それは少年にとって好都合だった。 向こうから近づいてきてくれるなら、それに越した事はない。 今の少年のボロボロの体では、 一方通行の元まで辿り着く前に倒れてしまっていただろうから。 少年には何の力も残されていない。 その体には、自分の足で立って歩くだけの力も、 自分の舌で言葉を紡ぐだけの力も、自分の頭で何かを考えるだけの力も、 …そんなわずかな体力さえも、残されていない。 少年に残されているとすれば、幼い日の少女と遊んだ懐かしい日々の記憶だけだった。 少年にとっては幸福ともいえるその記憶だけが、今の少年を支えていた。 だから、少年は右手を握る。 視線を上げる。 一方通行は、弾丸のような速度で真っ直ぐに少年の懐へと飛び込んできた。 右の苦手、左の毒手。 共に触れただけで人を殺す一方通行の両の手が、少年の顔面へと襲いかかる。 瞬間、時間が止まった。 体に残る、絞りカスのような体力の全てを注ぎ込んで、 少年は頭を振り回すように身を低く沈めた。 右の苦手が虚しく頭上を通り過ぎ、 追い討ちをかける左の毒手を少年は右手で払い除ける。 「歯を食いしばれよ、最強(さいじゃく)…」 二重の必殺を封殺され、心臓を凍らせた一方通行に少年は言う。 密着するほどの超至近距離で、獣のように獰猛に笑い、 「…俺の最弱(さいきよう)は、ちっとばっか響くぞ」 少年の右手の拳が、一方通行の顔面へと突き刺さった。 一方通行の華奢な白い体が勢い良く砂利の敷かれた地面へ叩きつけられ、 乱暴に手足を投げ出しながらゴロゴロと転がっていった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の幻想殺し
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【初出】 禁書SS自作スレ>>952 ◇◇◇ ピーーーーーーーーー わぁぁぁわぁぁぁ グラウンドでは棒倒しが絶賛進行中だ 時折閃光やら漫画みたいに吹っ飛んでいく生徒も見える 「・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・」 「「・・・・・・・・・・」」 (誰か、誰かヘルプミー、この無言空間には上条さんは耐えれません) 沈黙に耐えかねて口を開こうとして 「「あのさ・・・」」 ハモった。 気まずい・・・なんというか気まずい、木陰で木にもたれ掛かり目の前にいる美琴になんとなく目を合わせずらくて チラチラと見ては罰があるそうに目を反らして、口笛を吹く。 「ちょっとアンタ」 ビクゥゥ!!と音速で身を反らし美琴の視線から逃れようとする。 (ああ、まずい、これはまずいですよ、なんだか知らないけどきっとご機嫌斜めなんですよー) 「怪我してるでしょ、見せてみなさいよ。」 上目遣いで顔は真っ赤になりやはりチラチラと見ては目をそらしながら常盤台中学のレベル5[超電磁砲]はそんなことを言ってきた。 はい?っと3秒ほど上条当麻の思考は停止した。 「怪我を見せろ、とおっしゃいましたか?美琴さん」 無言で左手を出す美琴、ここに手を置けということなのだろう。 「えーと・・・新しい拷問?」 「なわけあるかぁぁぁ!!」と満身創痍の上条の右頬に捻りの利いた右が叩き込まれた。 ◇◇◇
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【初出】 SSスレPart4 32 目を開けると一方通行はソファーに座っていた。 ここは『グループ』の隠れ家の一室。一方通行以外誰もいないようだ。 近くのテーブルには飲みかけの缶コーヒー、手に取り口元に運ぶ。 (夢にしてはハッキリと思い出せるし回想にしてはリアルすぎだなおい、オレは寝ていたのか?考えていたのか?まぁいいか。) 「・・・・・結局・・・・・・そうゆう事かよ。」 学園都市1位もしょせん人間、初めて湧いた感情に戸惑い どう扱えばいいかの分からず、どう接しればいいのか分からず どう向き合えばいいのか分からず、どう表現すればいいのか分からなかった それだけだった 「結局どうゆうことなんですか?」 声の方に目を向けると海原光貴が立っていた。 「おい!テメェはいつから盗み聞きが趣味になったんだ?」 「すいません。ですがたとえその様な趣味があったとしても命のが惜しいですからね あなたの独り言は避けることに越したことはないですよ。これからは気おつけます。」 謝罪なのか言い訳なのか分からないことを笑いながら語る海原。 一方通行はどうでも良いと結論づけ、立ち上がる。 「どちらに行くのですか?」 「缶コーヒー買いに行くんだよ。」 海原が固まる。 「・・・・・・・・・・・・冷蔵庫の中にある3ダースほどのコーヒーはどうするのですか?」 「要らないから飲んでいいぞ。」 「・・・・・・・・・・・・ありがとうございます。」 一方通行は隠れ家を出てコンビニに向かった。 一方通行はもう揺るがない 一方通行は強くなった 一方通行は闇になった 打ち止めに闇が忍び寄るならその闇を喰らってやる あらゆる闇より強大な闇となって全てを飲み込んでやる 一方通行は 永久の闇に、ただ一つの誓いを持ち込み進む。
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22スレ目の短編集 ________________ ソーサ(14-457)氏 ヒーローと超電磁砲は… コスモス(22-047)氏 if 指輪 物語 風花(19-114)氏 You look like a sweet cake. ぺろすけ(22-096)氏 (無題) 22-103氏 とある野球の上条美琴(バッテリー) くまのこ(17-598)氏 ねむねむタイム Doruusa(22-259)氏 空箱 一哉◆F/bQYgopwk(21-497)氏 上条当麻の入院 くまのこ(17-598)氏 緊急ドッキリ企画 「あの二人が付き合い始めました」 サッド(22-344)氏 とある彼女と上条当麻 サッド(22-344)氏 とある彼女と上条当麻・後日談 くまのこ(17-598)氏 上琴の初詣にありがちなこと ツキサカ(15-321)氏 新年早々不幸?な二人 くまのこ(17-598)氏 第八.五章 次の喧嘩を始める前に コスモス(22-047)氏 恋する乙女の報告書 くまのこ(17-598)氏 とある世にもな奇妙物語 コスモス(22-047)氏 とある乙女達の乙女達による乙女達の戦い 虚無(22-525)氏 千切れたストラップ くまのこ(17-598)氏 とある世にもな舞台裏話 大和(22-574)氏 エメラルド 虚無(22-525)氏 初恋の香り くまのこ(17-598)氏 とある世にもな後日談義 さわわ(22-733)氏 とある男女の三角関係 ダニエル(19-956)氏 上条さんのアルバイト 看護師バージョン コスモス(22-047)氏 2G(ゲームと現実)で叶える夢 くまのこ(17-598)氏 夢のような一週間 虚無(22-525)氏 バレンタイン くまのこ(17-598)氏 White Message ▲
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「カミやん!起きてるにゃー?」 「インデックス!冷蔵庫の中身夜食べただろ!」 「食べてない!私が食べたっていう証拠が何処にあるの、とうま!」 「ほほう…。その口についたチョコは何なのかなぁ…?」 「ビクッ!た、食べてないもん!」 「あーもう時間じゃねえか…あれ、土御門、ちょっと待っててくれ」 「うにゃー…」 「じゃな、インデックス。お昼、そこのおにぎり食べててくれ」 土御門に案内してもらいつつ、学校へ向かう。 「あれ、カミやん昨日小萌先生からラブコール(電話)来なかったんにゃ?」 「電話線抜いてるから」 土御門の顔がひきつった。 しょうがないんだ、電話なんて怖くて取れないぜ畜生! 「あーそこが女子寮だにゃ」 「ふーん…クラスメイトって何人?」 「覚えてにゃいにゃー」 「あ、○○駅で下車だぜい」 「歩いて通えるようにもなったほうがいいよなー」 電車が止まった時、道が分からないとか間抜けすぎる。 「あ、そこのパン屋にとあるばかがいるんだにゃー」 「…」 「あ、オレとカミやんとそいつで三馬鹿って呼ばれてるぜい」 「まじかよ」 こんな風に、二人は歩いて行った。 「ちょっと早かったぜよ…。今の時間、小萌先生は職員室だにゃ!」 「えーと、小萌先生って、担任?」 「そうだぜい。あ、教室に行っててだにゃー。小萌先生呼んでくるから」 ふらりと歩いていく土御門を必死の思いで止める。 「待て土御門、教室ってどこだよ!?」 「あー…向こうにある一年の、そこの教室」 「さんきゅ。わりいな、色々」 「困った時はお互い様だにゃー」 土御門に教えてもらった教室に入る。 (ふーん…この間までここで授業受けてたんだ…) 教室の戸がからからと開く。 「で、土御門ちゃんは何しに来たですか〜?」 「いやまあいろいろだにゃー…(ホントは忘れものなんてしてないにゃー)」 「あ、上条ちゃん。じゃ、授業を始めるですよー」 ………。 「(土御門、この小学生誰!?)」 「(いうなカミやん!小萌先生は小学生じゃなくビールの味の違いがわかる大人だぜい!)」 「(それもう犯罪じゃ…!?)」 ちなみにこの会話、先生にも聞こえちゃったようで。 小萌先生、俯いてプルプル震えてます。 表情が確認できてたら泣きそうかもしれません。 「…上条ちゃんは、上条ちゃんは、せ、先生をからかいに来たですかー…?」 「ち、違うんだにゃー、これには訳があるんだにゃー」 「記憶、喪失?」 「はい…。そうです」 「か、上条ちゃんが?ど、どどどうしてですかっ!?」 小萌先生があわてている。そりゃそうだろう、誰だって知り合いが記憶喪失になれば驚く。 「いや、それも覚えてません」 「…原因だけ覚えてたらある意味怖いにゃー」 教室で、先生と生徒二名が向き合って座っていた。 一人が土御門元春、一人が上条当麻、そして先生が小萌先生である。 「そそそんなっ…か、上条ちゃん、大丈夫なのですか!?」 「平気です」 そういって、笑った。その笑みは、何処となく透明だった。 「な、何かあったら先生に言うのですよー?」 「あ、ありがとうございます」 「…今日は、特別に休みにします。だから、ちょっと頭の中整理してくるのですよ?」 「…はい」 「じゃ、気をつけてなのですよ」 「はい、さよなら」 まず当麻が出て行こうとした時。 そこにあった机に足を引っ掛けて転んだ。 「あー…不幸っぷりは健在なんだにゃー」 「…今のはドジというのではないですかー?」 そして、先に当麻が出ていき、土御門も行こうとした時に小萌先生に呼び止められた。 「あ、つ、土御門ちゃん!」 「…なんだにゃー?」 「………か、上条ちゃん、気にかけてあげてくださいなのですよ」 「OKですよ、小萌先生?」
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学校の教室にて 当麻「でっ何のようだ?」 土御門「実はカミやんにやってほしいことがあるにゃー」 当麻「……重要なことか?」 土御門「あぁ…かなりな…」 スッと、あるディスクを取り出し、 土御門「コレをやって欲しい」 当麻「なんだ?」 土御門「いいから…ほれパソコン」 ノートパソコンを手渡され取りあえず当麻はディスクを入れると 『とある少女の恋愛シミュレーション』 ゲームタイトルが出てきた。 当麻「……何コレ?」 土御門「そんなに知りたきゃ教えてやる…こいつは!どんな少女達とのフラグも完璧にこなす為に 学園都市の最新技術で作り上げた!!!最新恋愛シミュレーションゲームだぁぁ!!!!」 当麻「なに訳わかんねぇ物作ってんだ!!」 大声で何を言ってんだと思いながら、ツッコミを入れた。 当麻「なんでゲームに学園都市の最新技術をつぎ込んでんだよ!!」 土御門「まあまあ、そう言わずに作るのかなり苦労したんだぜーい」 当麻「って!?お前が作ったの!?そっちの方がすごいんだけど!!」 土御門「ほらっ細かい事は気にせず、やってみるにゃー」 当麻「まぁ…いいけどさ」 『ゲームスタート』 当麻「でも、俺恋愛シミュレーションなんてやった事ないぜ」 土御門「大丈夫、俺がいろいろと説明するにゃー」 当麻「……まぁ取りあえず話を進めていくか…んっ?なんでライフゲージがあるんだ?」 土御門「あぁそれなら後で分かるから、今は気にしなくていいぜーい」 当麻「…?だってコレ恋愛シミュレーションだろ?ライフゲージなんて何に使うんだよ?って、おぉ?」 御坂ルート 目の前に常盤台の超電磁砲の御坂美琴が歩いている…話しかけますか?yes or no 当麻「御坂出んのかよ」 土御門「そりゃあ、俺の知っている女子だけで作ったからにゃー」 当麻「なるほど…まぁ話さなきゃ始まんないよな、yesっと」 土御門「あぁ、言い忘れたたけどカミやん、あんまり不用意に近づくと…」 御坂『なんで、あんたがここにいんのよ!!』ズドォォォォォン!!! ライフが50減った。 土御門「レールガンでライフが減る」 当麻「いやっ!!何でだよ、話しただけだぞ!!しかもライフってここで使うのかよ!?おまけに開始1分で 半分になったぞ!!」 土御門「だから、不用意に近づくなって言ったにゃー、ほらギャーギャー言ってないで選択肢を選んで」 当麻「選択肢?」 御坂『でっ?何のよう?』 A いや、ただお前に会いたくて… B 可愛かったから…つい C 殺し合いをしよう 当麻「おいっ!!なんだCって!すげー危なっかしいのがあるけど!?」 土御門「細かい事は気にせず、ほらっA,B,Cのどれか選ぶにゃー」 当麻「ん~、まぁ急にこんな事言うのは変だと思うが…Aぐらいにしとくか」 御坂『なっ!?何よ急に!?べっ別にうれしくないんだからねっ!!』 『GAME CLEAR』 当麻「なんでだぁぁ!!始まって2分で終ったぞ!!」 土御門「『超電磁砲』はこの中で一番簡単におとせるにゃー」 当麻「簡単すぎんだろ!!」 インデックスルート 数分後… インデックス『ねぇーお腹すいたぁー』 A 分かったよ、なんか食べに行こう B 家まで我慢しろ C そんな暇はない 当麻「インデックスのルートか…」 土御門「にゃー、どうするにゃー?」 当麻「つーか、ゲームの中でもこのキャラかよ」 土御門「俺なりに実物に近づけたつもりなんだけどにゃー」 当麻「近すぎんだろ…まぁゲームの中でくらい我慢してもらうか…Bっと」 インデックス『お腹すいたぁーお腹すいたぁー!!』 インデックスが噛み付いてきた…ガブリ……ライフが0になった 『GAME OVER』 当麻「何でだぁぁぁぁ!!」 土御門「インデックスは腹ペコゲージがMAXになると噛み付かれゲームオーバーになるにゃー」 当麻「つまりあれか!?最初の選択肢の3分の2がゲームオーバーになるってことか!?」 神裂ルート またも数分後… 神裂『どうも…お久しぶりです…』 当麻「神裂のルートか…」 土御門「にゃー、ねーやんの攻略は困難だにゃー」 当麻「まぁ…俺もそんな気がするけど…」 土御門「数ある選択肢の中で一つでも間違えると…」 神裂『うるっせぇんだよ!!ど素人が!!!』 ドシュッ!! 『GAME OVER』 土御門「バッドエンド…」 当麻「難易度高っ!!」 小萌先生ルート またまた数分後… 主人公『やっべぇ、遅刻だ!!』 主人公は、学校へと急いだ… 当麻「これは、ありがちだな…」 車が飛び出してきた。キキッー!、ドゥゥゥゥン!! 小萌先生『大丈夫ですかぁー!?』 土御門「これは、ちょっとベタだったかにゃー?」 当麻「ベタとかじゃねぇーよ!!コレは事故だ!!つーか小萌先生ルート!?」 姫神ルート またまた数分後… 姫神『コレ…運ぶの手伝って…』 手伝いますか? yes or no 当麻「姫神ルートか…これは結構まともだな」 土御門「にゃー、他のヒロインと違って毎日会ってる分、作りやすかったにゃー」 当麻「いろいろめちゃくちゃだったけど…こういう学園ものなら分かりやすいな…」 土御門「だけど、一回姫神フラグを立てて、一日一回も会わない日が会ったら…」 姫神『私って…影が薄いのね…』 その日から…彼女を見なくなった。 『GAME OVER』 土御門「行方不明になる…」 当麻「なんでだぁぁぁぁ!!」 土御門「寂しがりや何だにゃー」 当麻「そういう問題じゃねぇーよ!!姫神に謝れ!!そして姫神ファンにも!!」 吹寄ルート またまた数分後… 吹寄『貴様!!なんのようだ!!』 A いや、ただお前に会いたくて… B 可愛かったから…つい C お前が好きだ 当麻「吹寄ルートか…」 土御門「にゃー、吹寄はねーやん以上に攻略困難にゃー」 当麻「まぁ…確かに難しいだろうな…選択肢もなんか同じようなものばっかだし、取りあえずAっと」 土御門「にゃー言い忘れたが…ちなみに吹寄は」 吹寄『このっ!!』 ドカンっ!! 『GAME OVER』 土御門「口説こうとすると、99.9%の確率でバッドエンド」 当麻「コレもか!?つーかこの不幸の塊である上条さんに0,1%の奇跡なんて起こるわけねぇだろ!!」 土御門「ちなみそれを10回繰り返す」 当麻「確率で言ったら!0,000000って、あぁぁもう何回言えばいいのか分からん!!」 舞夏ルート またまた数分後… 舞夏『メイドは大変なんだぞー』 当麻「舞夏まで出したのか…」 土御門「にゃー、こうすればいつでも舞夏との、初々しい初恋が何回でも出来るにゃー」 当麻「動機もやる事も不純でしかないな」 土御門「ちなみ舞夏は攻略すると専属のメイドになってくれるにゃー」 当麻「意味は分からんが…嫌いではない」 土御門「最終的には…兄である俺と戦って勝つとハッピーエンド」 当麻「……結局のこのゲームのジャンルはなんなんだ?」 土御門「………ラブストーリー?」 当麻「今のところ全部のストーリーで命が危険にさらされてるぞ」
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4スレ目ログ ____ ________________ 4-8 ◆pAn3AKtpUw 小ネタ こっちでもよろしく頼むぜ 4-17 ヤシの実 ◆sz6.BeWto2 とある子猫な超電磁砲(レールガン) 2 1日目 4-35 ∀(2-230) 小ネタ 本当と嘘 4-63 桜並木(4-027) 未来からうちの子がやってきた 1 第一章 泣きっ面に核ミサイル But_it_is_a_happiness,isn t_it 4-82 豚遅(1-892) とある乙女の菓子聖戦 4-101 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 1 Ti_Amo. 4-116 ぐちゅ玉(1-337) とある両家の元旦物語 5 後編 4-133 メリー(4-131) とある笑顔の守り方 4-152 つばさ(4-151) どこにでもあるハッピーエンド 1 目覚め 4-174 ∀(2-230) バイト生活 5 5日目 4-188 ◆pAn3AKtpUw 豆撒きの日に 2 4-214 4-197 逝去告白 1 4-227 3-327 とある実家の入浴剤 4 4-240 七国山の栗鼠 ◆t9BahZgHoU 小ネタ 「籍」 4-243 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 2 Ti_Amo. 4-264 黒丸(4-263) Week 1 4-274 2-631 少女の奏でる旋律は―― 3 4-288 ◆/BV3adiQ.o 小ネタ バイト数の関係により中略 4-299 ヤシの実 ◆sz6.BeWto2 とある子猫な超電磁砲(レールガン) 3 1日目 4-304 Ж(4-303) ―ビリビリチョコレートアタック― 1 4-308 Aサイド ◆kxkZl9D8TU たまには立ち位置を変えて 4-337 4-323 幸せへと至る道 1 4-349 4-323 幸せへと至る道 2 4-365 寝てた人 ◆msxLT4LFwc 当麻と美琴の恋愛サイド ―帰省/家族― 3 2章 帰省1日目 二つの再会 4-370 寝てた人 ◆msxLT4LFwc 当麻と美琴の恋愛サイド ―帰省/家族― 3 2章 帰省1日目 二つの再会 4-387 3-351 とある美琴の突撃訪問 4-395 桜並木(4-027) 未来からうちの子がやってきた 2 第一章 泣きっ面に核ミサイル But_it_is_a_happiness,isn t_it 4-417 ぐちゅ玉(1-337) 白井黒子は動かない 4-435 ◆/BV3adiQ.o 小ネタ MELTっぽい 4-455 4-323 幸せへと至る道 3 ~後日談~ 4-464 ヤシの実 ◆sz6.BeWto2 とある子猫な超電磁砲(レールガン) 4 1日目 4-473 琴子(4-448) とある乙女の手製菓子 4-492 Aサイド ◆kxkZl9D8TU 美琴の不幸な初体験 4-502 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 3 Once_in_a_lifetime. 4-527 4-526 とあるコンビニ 1 4-536 七国山の栗鼠 ◆t9BahZgHoU とある恋人の日常風景 5 第五章 御坂さんの彼氏さん ~ 十二月九日 (前) 4-563 3-327 とある実家の入浴剤 5 4-580 ぐちゅ玉(1-337) 想いを乗せたココロの向かう先 4-588 ヤシの実 ◆sz6.BeWto2 小ネタ 盛夏祭でのワンシーンについて 4-590 Ж(4-303) ―ビリビリチョコレートアタック― 2 4-601 4-600 小ネタ バレンタインネタ 4-611 qp(4-609) 寿命が 4-618 ∀(2-230) 小ネタ バレンタインでの不幸(?) 4-627 4-625 小ネタ Was yea ra melenas yor. 4-653 4-649 未来の娘の訪問 1 4-669 志室谷(4-668) 世界で一番の 4-684 4-600 バレンタインネタ 4-699 腹黒タヌキ(2-539) 小ネタ ~私の居場所~ 4-705 小ネタ 何気ない仕草から 4-710 小ネタ 最終回連想モノ 4-716 4-649 未来の娘の訪問 2 4-732 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 4 永遠 If_tomorrow_comes. 4-745 ミーナ ◆zfqD0wujwA 小ネタ とある上琴の日常生活? 4-750 寝てた人 ◆msxLT4LFwc 当麻と美琴の恋愛サイド ―帰省/家族― 4 3章 帰省1日目 思い出の無いアルバム 4-759 寝てた人 ◆msxLT4LFwc 当麻と美琴の恋愛サイド ―帰省/家族― 4 4章 帰省1日目 天使 4-771 ◆/BV3adiQ.o 初恋オワタ 4-784 ぐちゅ玉(1-337) 向かう先は、ミコトDX? 4-793 ユミシロ(4-793) 美琴先生 1 予告編 4-803 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 5 永遠 If_tomorrow_comes. 4-817 蒼(4-816) embrace 4-837 ∀(2-230) 悪夢 4-869 ユミシロ(4-793) 美琴先生 2 4-880 キラ(4-879) 小ネタ 不幸と書いて…… 4-884 4-883 小ネタ チョコをあげよう 4-889 びり(3-040) 絆 4-897 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 6 とどかぬ思い Welcome_to_the_Edge. 4-912 3-327 とある実家の入浴剤 6 4-953 D2 ◆6Rr9SkbdCs Equinox 7 とどかぬ思い Welcome_to_the_Edge. 4-979 4-969 小ネタ スキージャンプペア ▲
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行間 とある風輪の尾行追跡2前編 『―――お勤めご苦労さん。もう帰ってくるなよ』 「…それはぶっちゃけドラマとかで看守がよく言うセリフの真似っすか?それともそのままの意味っすか?」 『ははは、残念。どっちもだ』 そんな実に他愛のない会話が繰り広げられているのは、現在の時刻から少し遡った午後11時の第7学区。 時間的には完全下校時間を過ぎており、人の気配はもうほとんどない。そのため辺りに音らしい音は無く、彼らの会話が閑散としたビル街に響いている。 会話の内容は男が先程女子トイレに侵入したとして警備員に補導され、先程漸くその誤解を解き釈放された事、そして誤解を解くための証人になってくれた電話の向こうの人物に対する感謝であった。 会話の主は、鉄枷束縛。そしてもう一人の声の主は彼が右手に持つスマートフォンの向こうから聞こえている。 電話の相手は破輩妃里嶺、立場的には彼の上にあたる、第159支部の支部長を務める人物だ。 彼らは今とある理由から、自分たちの同僚である一人の少女、春咲桜の追跡を遂行していた。 といっても、実際に尾行しているのは電話の話し手である鉄枷一人で、電話の向こう側の彼女は、今同じ風紀委員の一厘と共に春咲捜索の為に準備を整えている。 と、鉄枷は聞かされている。しかしそれが具体的に何なのかは一切聞かされていなかった。 そして準備をしているにも拘らず自分をからかう様な電話をしてくることから察するに、電話の向こうの二名はもう用事を済ませたのだろうなと漠然と考えていた。 ――――しかし、自分を遠ざけてまでしなければならない“準備”とは一体何だったのだ? 夜の学園都市は不良がのさばる危険区域に変貌すると言えど、実力的には明らかに自分よりも上である彼女達が追跡をせず自分に追跡の役を一手に任すのはどう考えてもおかしい。それならば彼女たち二人が追跡に向かって、一番能力強度の弱い自分にその準備とやらを代わりにやらせるべきである。 そもそも二人とも不良にビビるようなガラだとはとても考えにくい、むしろ不良の方が恐れ戦くだろう。 にも拘らず、そうしなかった。という事はつまり、彼女達は自分には出来ない“何か”をしているのであろう。 そう考えると、無性に気になってしまうのは人の性なのだろう。 そして、そこで大体ピンク一色の固有結界が構築されるのは健全で純情な思春期男子の逆らい様の無い法則なのだろう。 会話の途中で男鉄枷はその準備とやらが何なのか、悶々と想像を膨らませていく。 およそ男子高校生が想像する内容などたかが知れているが、たかが想像、されど想像。 行きすぎた想像は意識を現実から乖離させる事もあるのだ。 現に鉄枷は自らの作り出した“自分だけの現実”に入り込んでしまい、電話の声など何処吹く風。要するに彼は今、上の空なのである。 「やっぱ隠密行動にはボディラインのハッキリ見えるピチピチ黒スーツ一択だよなぁ…」 『…やっぱもう一回警備員に補導ルート一択だよなぁ、テメェは』 そして行きすぎた妄想は、時として無意識に口を介して他者に聞かれる事もあるから性質が悪い。 後篇に続く
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これはとある不幸な少年と自らを禁書目録と名乗る少女が出会う数年前の話 ========================================-- イタリア最大の都市、ローマ。 その巨大な都市の中心部から少し外れた住宅街にアニェーゼ=サンクティスは居た。 「パパ!早くしないと遅れちまいますよ!」 「分かった分かった、今行くから待ってろって」 家からなかなか出てこない父を急かす少女、アニェーゼは緑のワンピースに履くのが難しいと評判の「チョピン」と呼ばれる細長いサンダルのような 靴を履いていた。それを器用に履きこなしながらさらに父を急かす。 「せっかく、パパが休みとったのに出発時刻に1時間以上遅れるなんて.....、やっぱり今日はやめにしませんか?」 「わ、分かった!分かったから頼むから今日は付き合ってくれ!」 「分かりました。六十秒数えますからそれまでに来なかった場合は家のソファで寝そべりながらのTVタイムに移行します。はい、い~ち、」 「よ、よし。たった今準備が完了した。じゃぁ、出発しようか」 「(....ちっ、間に合っちまいましたか)」 「おい、実の父親にその言い方は無いんじゃないか!?」 「まぁ、もういいからさっさと行きましょう。こんなことしてても時間の無駄ですから」 「そうだな。じゃぁ出発だ」 今日は休日だった。休日といっても神父である父が「たまには娘と一日過ごそう!」とかいって、半ば無理やり仕事を休んで無理やり作った休 日であるのだが。 「で、結局どこ行くんでしたっけ?かなりいきなり誘われたので出かける理由をまだ聞いてないんですが」 父の運転する日本製の軽自動車の助手席に座りながら、アニェーゼは質問する。 「いやぁ、最近は我が愛娘と過ごす時間が少なくなったな、と思ってな。たまには一緒の外でご飯で食べようかと」 アニェーゼの目が少し細くなる。 「.....ほかには?」 「あとショッピングとか。お前に新しい服でも買ってやろうかと」 「まだあるでしょう?」 この時、アニェーゼの顔は完全に疑心暗鬼を表していたが、父は気づかずに素で答えた。 「ん?まぁ、あとは夜は二人でホテルでも借りて親子の愛を育もうかと思」 「それ以上言うと法に引っかかりそうなんでよしてください。小学4年の娘を狙うなんてどうゆう神経してんですか、このロリコン野郎」 「あ、アニェーゼ、そんな言葉どこで覚えた!?」 「ママに教わりました。あと、パパには気をつけなさいと」 「カテリナめ、娘にそんなこと教えこませるなんてどういう神経してるんだ....」 「あなたは絶対に人のこと言えませんが」 親子が車内コントを繰り広げているうちに父の行きつけ(自称)の高そうなレストランに到着した。 「ほんとは適当に町を見回ってから来ようと思ったんだけどな。予想以上に時間が詰めてきたから先にご飯食べちゃおうか」 そしてアニェーゼの父が店に入ろうとしたとき、 「ママは待たなくていいんですか?」 後ろからアニェーゼの質問が飛んできた。 その言葉に父は少しだけ眉間に皺を寄せた。 「....何度も言わせるな。カテリナは来ない」 「冗談ですよ。絶対にありえないことを望むほど私は子供ではねぇですから。家の玄関で一時間以上待ってたせいで腹はすかすかなんです。早く入り ましょう」 「....そうだな」 その言葉に父も同意して二人は店に入っていった。 アニェーゼ=サンクティスが母親に会うということは彼女の言う通り『絶対』にありえなかった。 たとえ、彼女が神だったとしても。 (そうですよ。私はまだ未練がましく『待つ』なんて言ってるんですか) 殺された母親に会うのは何をどう考えても不可能だったからだ。
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Festival of large star IF「途中抜き話シリーズその1:とある昼食のラブコメ」 1 喫茶店に入るとやたらと元気な声をさせて長髪のウエイトレスが飛んできた。 「いらっしゃいませぇー。 お二人様ですねー? こちらへ―」 「いや、俺は人と待ち合わせしていて、先に来ているはずなんだけど?・・・ん?二人?」 早速席へ案内しようとするウエイトレスを手で制して店内を見渡そうとしてウエイトレスの発言になにかが引っかかる。 上条はこの喫茶店に一人で来たはずなのにウエイトレスが案内しようとしたのは2人。 疑問に思ってウエイトレスに聞いてみる。 「いま二人って言った? 俺一人で入ってきたはずなんだけど――おわぁ!白井!?いつの間に後ろにいやがる!」 「あらら、その反応は女性を対してかなり失礼ですわよ。 ナイーブなわたくしのハートは結構傷つきますの。それからいつの間に、じゃありませんわ。 番号を教えてあるのに待てど暮らせど連絡は無いですし!私が殿方に番号をお教えするなんてことは本当に珍しいのですわよ。 あんまり連絡が無くて半分諦め気味に軽く散歩でもして常盤台中学の応援にでも行こうかなー、とか思ってブラブラしてたらこの 喫茶店に入るあなたが見えたので空間移動(テレポート) して背後に移動、それで今に至るって感じですわ」 上条の背後にはスポーツ車椅子に乗ったツインテールお嬢様―白井黒子が居た。 その顔はにこにこと笑ってるように見えるが良く見るとこめかみのあたりに青筋が見える。 連絡していなかったのを怒っているみたいだ。 上条はバツが悪そうに視線を泳がせて白井を見て 「あ゛~、その、なんだ・・・。 いまから親父達と一緒に昼メシなんだけど・・・その、よかったらお前も一緒に来るか?」 鼻の頭をカリカリと掻きながら白井に言ってみた。 「ええ、ご一緒させていただきま―――ッ!?」 快く承諾の意を上条に伝えようとした白井が突然言葉を切って固まる。 ん?、と思って白井の視線を辿ってみるとその先にはなにやら不機嫌そうにテーブルに頬杖を突いて座る御坂美琴の姿があった。 「白井?もしかしてあの人は、アレかな?俺と会うたびに10億ボルトの電撃を撃ってくる中学生かな?」 上条のその言葉を聞いて白井は顔を蒼白にしてガタガタと震えだす。 しばらくそんな状態を続けた後に 「と、殿方さん、申し出は嬉しいのですがわたくし、い、いまはダイエット中でして、その昼食は 控えておりますの、やはり痩せてるほう魅力的ですわよね。というわけで失礼します!!」 早口でそんな事を言いながら上条の「お、おい?」という言葉もスルーして来た時と同じように空間移動(テレポート)を発動させて白井黒子は消えて しまった。 案内を止められたままのウエイトレスが事の一部始終を見ていたが全く動かなくなってしまった上条の対応に 困っておろおろとしていたが丁度そこへ店内の一席から声を掛けられた。 「おーい、当麻。こっちだこっち、さぁ早く来なさい。 母さんが楽しみにしてるだろう」 「あらあら刀夜さんったら。 本当は自分が一番楽しみにしている癖に」 おろおろするウエイトレスにその席を指差して「待ち合わせ相手はあそこの席みたいだ」と告げると 「はい、かしこまりましたー。 ではお席の方へご案内いたします」と言って満面の営業スマイルをくれた。 先を歩いていくウエイトレスについて店内を歩いて声の主と同じボックス席に座る。 「あんまり大声で騒ぐんじゃねぇよ。他のお客さんとか見てんだろ」 「あらあら当麻さんったら恥ずかしがり屋さんなのかしら。 刀夜さんどうしましょう?」 「こら当麻。あんまり恥ずかしがるんじゃ無い! 母さん困ってるだろ」 向かい側に座る上条の両親 上条刀夜と上条詩菜は大声などあまり気にしてない様子で話を続ける。 それを見るとまたかよ。と言う気持ちになるがこの夫婦はいつでもこうなのだ。 いまさら息子の注意なんて気にも留めないだろう。 際限なくラブラブぷりを発揮する上条夫妻をいい加減にしろと手で制して 「喫茶店か、食料の持ち込みとか駄目なんじゃないのか?それとも何か注文するのかよ?」と聞いてみる。 「当麻、ここの喫茶店はな、なんと大覇星祭中だけ弁当の持込がOKなんだそうだ!どうだ?すごいだろう?」 「いや全然―。でも結構穴場だな、毎年大覇星祭中はどこの公園も弁当が食べられそうな場所はみんな埋まっちまうからなぁ」 「そうなんだよ、生徒の競技終了と共に会場を締め出されるから競技場では食べれないし、公園はどこも埋まってるから困った困った」 「ふーん、でどうしたんだよ結局? 適当にぶらついてここを見つけたのか?」 上条の質問に刀夜は自分の席と通路を挟んだボックス席に座る大学生ぐらいの女性を見て 「そこの女性がな、一緒に食べないかと誘ってくれたのだよ。 いやぁ親切な人が居るもんだなぁ当麻。 あ、あとそこの席のお二人さんには礼を言っときなさい。 お前を待っていてくれたんだからな」 向かいの席の大学生風の女性と目が合う。 上条は正直かなりの美人だと思った。上条の視線に気づいて大学生風の女性がにっこりと笑顔を作る。 「はじめまして、上条当麻くんだったかな? いつも娘がお世話になっているみたいで」 大学生風のお姉さんは上条に向かって軽く頭を下げてくる。 「う、え?娘!? 娘って誰!?お世話した記憶なんてないんですけど!?」 予想外の言葉にワタワタと慌てる上条を見てお姉さんは自分の向かい側に座っていた少女を指差してこう告げる。 「御坂美鈴。ここにいる御坂美琴の母です、当麻くんよろしくね」 「「母・・・母親・・・・ッて!?えええええ!!」」 上条と刀夜が揃って絶叫する。 とても信じられないと言った感じで美鈴を見る上条親子だったがにこにことお嬢様スマイルを絶やさない詩菜を見て 「「ま、ありえないことではないわな」」と納得してしまった。 「当麻くんの事は娘からいろいろと聞いてるわぁー。あんなこととかこんなこととかぁ――っ痛!? 美琴ちゃんがぶったぁぁ!? 娘に殴られた・・・・ショボン」 ボックス席でくねくねと腰を振って目をキラキラさせて娘の秘密を語る美鈴に向かい側からゲンコツを振り下ろし、肩で息をする美琴は 瞳をウルウルさせる美鈴を無視して上条を睨むと 「アンタ!この馬鹿母が言ったあんなこととかこんなこととかはみーんな嘘っぱちだからね!!本気にしないでよ!」ギャアギャアと一気にまくし立てる。 当の上条は「あ~コーヒーが安いなーこんなに安くていいのか喫茶店のコーヒーって」とかメニューに目を移して完全無視を決め込む。 「あ~!なんだってアンタはいつも私のことに対する優先順位がこんなに低いのよ!!店内入った時から気づいてた癖に席につくなりこれかぁ!!」 「気づいてたなら声掛けろよ」美琴の抗議をさらりと受け流して上条は現状を確認する。 (なるほど、ここからだと入り口側は立っている人間しか見えないのか・・・じゃあ白井は美琴からは見えていなかったんだな) 「いやぁ、仲が良いですなぁ。当麻がこんなに元気そうなのは初めて見ます。 お宅の娘さんのおかげですかな?」 「いえいえ、うちの美琴もこんなに熱く男の子と口論するのなんて初めてみますわ。ケンカするほど仲がいいと言いますしね」 「あらあら、当麻さんったらそんなに冷たくしたら美琴さんがかわいそうですよ」 ケンカ、というよりは一方的に文句を言う美琴を上条がさらりと受け流すという流れを見て親御さん達はすっかり意気投合していた。 「なんでもうちの美琴ちゃんってばお宅の当麻くんの事ばっかり考えていて夜も眠れないとか言うんですよぉー」 「な、なんだと!!当麻!お前その子に何をしたんだ!はっ!?そういえば負けたら罰ゲームとかその子と話してたな・・・まさか!?罰ゲーム であんなことやこんなことを!?むむむ。いかんぞぉ当麻!?」 「「やめんかぁぁ!!この馬鹿親がぁぁ!!」」 暴走する親御さんsにそれぞれゲンコツを炸裂させて上条と美琴は同じように荒い息をつく。 店内の他のお客さん達はなんだか痛い物でも見るような目でその一角を見ていた。 ありていに言えば上条達はひどく目立っていた。 上条と美琴は顔を赤くしてお互いを見るとお客さん達の冷たい視線から逃げるようにそれぞれテーブルに戻り小声で 「(ちょっと・・・あんたの親御さんもなかなか特殊ね。あんたそっくりだわ。特に私の話をちっとも聞かないところ)」 「(それをいうならお前の母さんだって、相当お前にそっくりだぞ。 特に俺の都合を考慮しないところ)」 なんだとなによ、というやり取りを通路を挟んで展開する二人を見た詩菜は閃いた、といった具合に手をポンと叩いて言った。 「あらあらやっぱり仲良しさんなのね。当麻さんたら好きな子に悪戯して泣かせちゃうタイプなのかしらー。」 「ち、ちがうっての!?なぁ父さん、母さんが暴走してるから何とかしてくれよ」 「当麻・・・正直に答えて欲しい。父さんからのお願いだ」 なんだよ、とぶっきらぼうに答える上条に刀夜は向かい側のテーブルから身を乗り出したままの美琴を指差して言う。 「孫はいつごろ見れる?っ痛!? 当麻いきなり何をする?父さんは真剣にだな!それとも何か? まだまだ新婚気分だからしばらく子供は要らない、とそういうオチなのか!?」 「お・ま・えもか!この馬鹿親がぁぁ!!」 店内に上条の叫びが木霊する。 向かい側の席で美鈴が「最初は女の子がほしいわぁ、美琴ちゃん」と顔を真っ赤にする美琴をからかって遊んでいた。 2 「お客様・・・通路を挟んでの会話は他のお客様のご迷惑になりますので・・・」 そんな喫茶店の要望で上条一家と御坂ファミリーは同じ席に着くことになった。 右から刀夜、詩菜、美鈴と並んでその向かいに当麻、美琴という座り方になり、やたらとニヤニヤする親御さんとは逆に隣同士に なってしまったせいか美琴はこちらの顔をまともに見ないでソワソワしている。 上条がたまに美琴の顔を覗き込んで風邪か?顔赤いぞ?とか聞いてみると 「な、なんでもないわよ!顔も赤くなんてなってないから!あ、あっち向いてなさいよ!」 上条の顔を見ないようにあさっての方向を見ながら怒鳴ってくる始末、美鈴はそんな美琴を見てより一層顔をにやけさせる。 詩菜は嬉しそうにニコニコと笑顔を振りまいてるし刀夜は刀夜であんなこと・・・こんなこと・・・とブツブツと言って悩んでいて誰一人として 上条の味方は居なかった。 (なにこの状況・・・お見合いかよ。もしくはどっかのTV番組の企画みたい) 困った顔をする上条を見てニヤリとあんまり品のよくない笑みを浮かべて美鈴が話を切り出す。 「ね~当麻くん、携帯電話って今持ってる? あ、それそれ貸して頂戴? うん、ありがとね」 何を唐突に言い出すんだろうこの人は、と思いつつも短パンから携帯電話を取り出して美鈴に手渡す。 「なにすんのよ、こいつの電話なんて借りて・・・使うなら私の使えばいいじゃないの」 「ん~これは当麻くんの携帯じゃないと意味ないのよー、美琴ちゃん。 可愛い娘の為、お母さんが一肌脱ごうってのよ」 娘の文句を軽くあしらいながら上条の携帯電話をカチャカチャと操作する。 『―~♪―~♪』 喫茶店の店内に携帯電話の着信メロディが鳴り響き、隣に居た美琴がビクッと反応し短パンのポケットを探って自分の携帯電話を取り出す。 携帯の画面を開いて電話番号を確認してる美琴の肩ごしにその画面が見えるが相手の名前は表示されてないようで番号だけが点滅していた。 (ん?なんか見覚えがある番号な気がするんですが、はて?) やがて美琴がピッと通話ボタンを押して「もしもし?御坂ですが」と丁寧に電話に出たのを確認すると美鈴は突然上条の携帯電話を投げよこした。 「当麻くんパース!そのまま電話に出て!!」 美鈴から投げつけられた携帯電話を受け取って上条が開きっぱなしの液晶画面に目を落とせばそこには『通話中 御坂美琴』と表示されていた。 (まじかよ・・・まさか、な・・・) と思い恐る恐る「あーもしもし、上条だけど―」と喋ってみた。 ビクゥ!と美琴の肩が震えてなにやら上条に背を向けて通路に向かってボックス席のシートに正座で座り始める。 上条が持つ携帯電話の受話器からは特に目立った音は聞こえない。 「なんでこっち向かないんだお前?おい、もーしもーし、聞こえてるか?美琴ー?」 「き、聞こえてるわよ、ば、ばか。な、なんで、この、番号知ってるの?」 上条の受話器からは自分の隣で正座する少女の上ずった声が流れてきた。 「美琴ちゃんったら照れてかーわいいー。 可愛い娘のためにお母さんからの愛の手よー」 赤くなって挙動不審な娘の姿を満足そうに見つめて美鈴は更に続けて言う。 「当麻くーん、この子はもうすこーししたらきっと美人になるわよー。なんたって私の血が流れてるんだから。 胸だっていまはちょっと控えめだけど今に私みたいになるわー。お買い得の先物買いってやつねー。どうする?どうする?」 美鈴の言葉より強調するようにその存在を主張する美鈴の胸の辺りに目を奪われて思わずゴクリと生唾を飲み込む当麻と刀夜だが それを見た詩菜の機嫌が悪くなる。 「あらあら、当麻さんはともかく刀夜さんまで。これはどういうことかしら?本当に刀夜さんったらあらあら私を怒らせて楽しいのかしら」 「い、や、母さん深い意味は無くてだね。その喉が渇いて突然生唾を飲み込みたくなっただけなんだよ!きっとそうだ!そうに違いない!!」 突然険悪なムードになる上条夫妻を気にせずにいまだに通話中の携帯に集中する美琴を指差して美鈴が続ける。 「ほらあの子を良く見て?あの子の胸と腰、それにお尻のライン、あれが成長すると――っちょ痛!!美琴ちゃんやめて! 携帯電話で殴るのはやめてぇ・・・ヨヨヨ」 「娘をいやらしい目で見させるなぁぁ!!それにアンタも!ちょっと!?そんな!?何ジロジロと・・・」 指を刺しながら美琴の胸やらお尻を上条に示す美鈴を撃沈し振り返ったところで上条の視線に気づいて慌てて胸を隠すように手で覆う。 「あわわ!見てません見てません!!美琴センセーの胸やお尻とかなんてちっとも見てません!!」 睨むような美琴の視線に思わず嘘をつく 「ほーら当麻君だってまんざらじゃないみたいだし、もっとアピールアピール!!」 「なにをアピールしろってのよぉー!!」 美鈴が頭を押さえながら真っ赤になって俯く美琴に向かってやたらとガッツポーズを連発する 上条は自分の手にある携帯電話の通話終了ボタンを押して美琴との通話を切ると俯いていた美琴の肩がビクっと震えて 上条を見て悲しそうな瞳を向けてくる。 なんで切るのよ。 瞳がそう語っていた。 「隣に居るんだから話したければ普通に話せばいいんじゃないかなーと上条さんは思ったりするんですが、なんで美琴さんがバチバチいってるのかが 理解できません!!」 一応一般論で対抗してみるが乙女心は複雑なようで少女の前髪がバチィと発光すると10億ボルトの雷撃の槍が飛んできた。 咄嗟に前に出した雷撃の槍が避雷針に呼ばれた雷のように集中し一瞬で消え去る。 「もー!普通にご飯タイムにしようよー。上条さんは朝から走り回っておなかぺっこぺっこなんですよおおおお!!とりあえずギブミー弁当!!」 と上条は叫ぶがウワーンとか言いながら電撃を撃ってくる美琴の攻撃はそれからしばらく続いた。 周囲のお客さんもオオー、これが大覇星祭かとか勝手に盛り上がってる。 10分程ビリビリ→『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の流れを続けているといい加減疲れてきたのか美琴が電撃を止めてくれたので チャンスとばかりに上条は美琴を呼び寄せて 「あー、もうメシにしようぜメシ!!このままじゃ胃袋のジダンが審判の頭突きして退場喰らっちまう。ほら!美琴も いつまでもバチバチしてないでこっち来い」 美琴の肩に手を掛けて強引に隣に引き寄せる。 右手から伝わる感触にちょっとドキっとするが構わずにそのまま肩を抱く。 「ちょ!?ちょっとぉ!」 肩を抱かれて上条の胸辺りに押し付けられた美琴が顔を真っ赤になって抗議するがその全てを無視する。 「は、はなして、よ、は、恥ずかしいから」 (放すと電撃飛んでくるから離しません・・・あんなの喰らったら上条さんはこんがりといい感じに焼きあがってしまいます。) 上条の真意はどうあれ、弱弱しく上条の体を押す美琴の手には言葉ほど拒絶の意は感じられない。 形だけ嫌がってるといった感じに見える美琴と上条を見て親御さん達は口々に騒ぎ立てる。 「あらあら当麻さんったら積極的ねぇ、誰に似たのかしら学生時代を思い出すわぁ」 「こら当麻!母さん喜んでるだろ」 「みことちゃーん!その表情すてきー!こっち視線ちょうだーい!はいシャッターチャンス!」 いちゃつく上条夫妻と娘の衝撃映像をデジカメでしきりに映す美鈴。昼時の喫茶店のその一席は当の上条の思いとは別の方向に会話が弾んでいた。 3 事態が一旦安定したので念願の昼食にありつけることになり上条、御坂ファミリーはそれぞれテーブルにお弁当を出していた。 「今日は当麻さんがいっぱい食べると思って母さんいっぱい作ってきたの、しっかり食べてね」 「こら当麻!シーチキンマヨは父さんのだ。 お前は梅干おかかでも食べてなさい」 「私だってキチンと用意してきたわよ、いっぱい食べてね美琴ちゃん。ほらどーんとね!」 どーん、どーん、どーん・・・どすん 喫茶店のボックス席のテーブルに所狭しと並べられた弁当郡。 綺麗に三角形に握られて海苔を張られたおにぎり、タコ、カニなどの形のウインナー(魚肉)、眩いばかりに黄色い玉子焼き プラスチックのフォークが刺さったミートボール、千切りにされたキャベツの上に盛り付けられた大量のから揚げ、ウサギさんカットされたリンゴ 絵に描いたような運動会風のお弁当、その中に異様な存在感を放ついくつかの物体があった。 「どーんって・・・丸ごとのチーズ?」 「それに寸胴鍋・・・どうやって持ってきたのよ」 「ちゃんとガスボンベとコンロも持ってきてるわーッ痛! せっかく美琴ちゃんの為にチーズフォンディを作ろうと思って持ち込んだのに!?ねぇねぇ当麻くん、娘が反抗期なのー助けてちょうだい」 学園都市に持ち込めないはずの危険物―ガスボンベを大きいドラムバックから取り出したところで美琴の突っ込みが美鈴を襲う。 上条に対するような電撃は使用せず純粋に鉄拳制裁なのだが見た目にはすごく痛そうだ。 少しも懲りずに美琴はしつこく大量の乳製品を摂取させようとする美鈴を無言でシバキ倒すと当然のように上条の右手の元に戻ってくる。 「ふん、乳製品を取っても別に変化は無いわよ!!」 「いや・・背は伸びるんじゃないか?アレぐらい大量に取れば。」 美琴の肩をぽんぽんと叩きながら言う上条に美琴が火に掛けられた寸胴鍋で溶けるチーズをプラスチックの器に取ってこれまた プラスチックのスプーンで上条の口へと運ぶ。 湯気が立ち昇るチーズはとっても熱そうだ、っていうかこのまま口に突っ込まれたら 絶対火傷する、そんな次元の熱さだった。 「ほほう・・・じゃあいっつもいっつも大怪我して病院通いなあんたにはピッタシねぇ・・・さぞ骨も丈夫になるんでしょう!!ほら!!ほら!! ほらあ~ん、ってしなさいよぉぉぉ!!」 「ちょ・・・もがぁぁ熱々のチーズを無理やり食わせようとするなぁぁ」 口を閉じて断固拒否の構えを取る上条と湯気の出るチーズフォンディを無理やり流し込もうとする美琴。 すでにその体勢は先ほどまでのラブラブ体勢から向かい合う獲物と狩人と言った感じの戦闘体勢へと移行している。 「いいからさっさと口あけなさいよ!!冷めちゃうでしょうが!冷めたらおいしくないでしょう!!」 「嫌です!!断固拒否します!そんな熱々のチーズ流し込まれたら上条さんのデリケートなお口の中が大惨事ですけどね!!女の子なら 普通フーとか言って熱いものは冷ましてから食べさせるだろ普通!?そういう優しさは微塵もなしですか!?」 美琴は自分の手に持ったスプーンを少し眺めてしばらくブルブルと震えた後、おもむろにそのスプーンを自分の口の前に持ってきて。吹く。 「ふー・・・ふー・・・ふー・・・」 美鈴と美琴以外の時間がピタリと止まった。上条もマジデスカ、と呻く。周囲の雑音は全て止まり美琴がスプーンをフーフー吹く音だけが支配する。 湯気が立ち昇る熱々のチーズフォンディは美琴の息を吹きかけられてお口に入れても大丈夫な温度に変化しなお一層おいしそうな香りを漂わせる。 「こ、これでいいんでしょ!さ、さっさと口開けなさいよ。」 人目で分かるぐらいに顔を真っ赤に染めて美琴がスプーンを上条の口の前まで持ってくる。 流石にここまでやられては、と観念したように上条が 「あ~ん」と大口を開けてみると途端に口の中いっぱいのチーズの風味が広がる。トローリと舌で程よい熱さのチーズが上条の味覚を激しく刺激する。 ほんのりとして柔らかいそれでいてまったくしつこくない後味。上条はしばらくそのチーズの味を楽しむと一言 「うまい」と言った。 その最高の言葉を聞いた全員が笑顔を浮かべて喜ぶ。美鈴はわーい、と両手を上げてわざとらしくバンザイをし 上条夫妻は二人でアーン、はいアーン、と食べさせあいをしている。当の美琴に到っては 「ま、まだおかわりあるわよ、ほ、ほらあ~ん」 とか言って器になみなみに盛られたチーズフォンディを再びスプーンで掬って上条に更なる乳製品の摂取を強要する。 美琴は喫茶店のベンチシートに膝立ちになって前かがみで更に上条の方へと距離を詰めて 上条と美琴の周りだけがピンク色の空気を纏わせて喫茶店の店内の他の空間と強烈な温度差を生み出す。 「(うう、周囲の視線が痛い・・・おいしいけどなんか恥ずかしい)・・・パクリ」 早く食べなさいよ、と物語る美琴の視線に負けて上条が再び口を開くとすかさずスプーンが捻じ込まれる。 もはや上条とチーズフォンディしか目に見えてないのか美琴は執拗に上条の口にチーズを運び、上条は上条で差し出されたチーズをパクパクと食べる。 食べる→捻じ込む→食べる→捻じ込む、もはや一種の職人芸のようなタイミングで二人の動きが高速化する。 まるでわんこそばの早食い大会のような風景にギャラリーもおもわず感嘆の声を上げる。 (げぷ・・・もうお腹いっぱいですよコンチクショー) 何回かの美琴のおかわり攻撃を繰り返し器どころか寸胴鍋の中身が底を尽きはじめた頃上条の胃袋の空きスペースも底を尽いた。 「あらあら、当麻さんったら全部食べちゃったのかしら、これでは御坂さん達が食べるものが無いじゃないのかしら?」 「あーいえいえ、こんなにたくさん食べてもらっちゃてかえって嬉しいぐらいです。やっぱり男の子は食べっぷりが違うわねー」 「あの、もしよろしければウチの弁当でもいかがですか、そちらのは息子が全部平らげてしまったようですので。困ったものですなー全く」 お腹がパンパンになって苦しそうな上条なんて露知らず、ほのぼのとした親達も喫茶店に来た時よりも打ち解けて見える。 「美琴ちゃーん、当麻くんはもうお腹いっぱいみたいだからー、そんなに悲しそうな目をしても多分無理。やめときなさいー」 「ワリィ、本当に満腹です。これ以上はいくらなんでも食べれません・・・・」 美琴はそうなの?、といった視線を向けてくるが上条はその視線に全力で肯定する。 結局、胃袋の全容量を大量の乳製品だけで埋めて上条はそのままゴロンとシートに横になった。 ポフ (お、やわらかい・・・って何ィィィィ) 寝転んだまま視線を上に向ければキョトンとした顔でこちらを見下ろす美琴の顔が見える。 その顔はもはや赤くないところを探すのが困難なくらいに紅潮している。 「まぁまぁ、当麻さんったら。新婚時代を思い出すわぁ、ねぇ刀夜さん?」 「こら当麻!!母さんが喜んでるじゃないか、もっとやりなさい」 「美琴ちゃんここがチャンスよ!膝枕作戦で一気に畳み掛けるのよー」 迫り来る電撃の恐怖に上条がガタガタと美琴の膝枕の上で震えていると上条の頭をぽんぽんと優しく叩いて美琴が言う。 「あんた食べすぎなのよ。食べれないならそういえばいいじゃない。」 「お前が食べさせたんだろうが・・・うっ・・・動くとチーズが・・・」 美琴ははいはい、と言うと上条を自分の膝の上で寝かせたまま詩菜からよそってもらった上条家の弁当を食べ始めた。 その顔はいまだに赤いが大分来た時より柔らかそうな表情だった。 途端に上条に強烈な眠気が襲ってきた。 胃袋から脳みそへ超満腹、もう食べれません信号が送られ脳みそからはかわりに全身に お昼寝せよの指令が送られる。 実際頬に当たる美琴の膝枕は大層気持ちよくてこのまま身を任せればきっとスヤスヤと夢の国へ旅立てる事は間違いない。 「前にも一回あったけど・・・お前の膝枕ってすっげーねむた・・ゴファァああ」 「人の膝の上で恥ずかしい台詞言うな! ほら!?そこの馬鹿親が前の一回って何なのとか聞きたそうにしてるじゃないの!このばか!」 上条の素直な感想は羞恥心で顔を真っ赤にした美琴の腹部への強打によって中断され、上条の眠気は一気に吹っ飛んでしまった。 「美琴ちゃん~、お母さんすっごく気になるわー。教えて教えて?前の美琴ちゃんの膝枕って一体なんなのかしら?」 「関係ないッ!!きっとコイツの記憶違いでしょッ!!だからニヤニヤしながらにじり寄らない!」 苦しむ上条はどうでもいいのか、御坂親子は再びドタバタしながら暴れだす。 それでも美琴は一応自分の膝枕で横になっている 上条を気遣っているようで下半身はほとんど動かさず上半身のみを駆使して美鈴の魔手から身を守っていた。 とても安眠できるような状況ではないのだがどうせ昼御飯の時間が過ぎれば再び土御門やステイルと合流してオリアナを追わなければならなくなる。 ならせめて今だけでも休んでもいいかな、と静かに目を閉じて吹っ飛んだ眠気を再び呼び起こす。 「美琴、少し寝るけどいいか?移動するようになったら起こしてくれ」 ピタリ、と上条の言葉を聞いた御坂親子の動きが止まる。 上条夫婦も合わせて8つの視線が上条に集まる。 というより実は店内の視線が全て美琴の膝枕で目を閉じる上条に注がれていたのだが当然上条は気づかない。 軽く寝息を立てて自分の膝枕を占領する少年に向かって 「あ、そう。じゃあ今回だけだからね、移動するようになったら叩き起こすわよ」 美琴はスヤスヤと眠る上条の顔を撫でて少し困った顔でそう呟いた。 END [解説] インデックスが登場しないIF世界での出来事 本編であるFestival of large star IFは打ち切りになったが作者は書き直すらしい。 この短編はもしその設定で進んでたらこういうシーンもあったということらしい。 原作と違いインデックスが登場しないためか上条と美琴の関係が少し良好 白井黒子ともフラグが立ってるようだがあくまでもヒロインは美琴との事